ツングースカ大爆発の真相|クレーターなき空中破裂の謎と最新研究

ツングースカ大爆発の真相|クレーターなき空中破裂の謎と最新研究

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ツングースカ事件が20世紀最大の謎と呼ばれた最大の要因は、「あれほどの破滅的な破壊をもたらしながら、隕石衝突による大クレーターが地表に見当たらない」というパラドックスにありました。

1920年代後半、ソビエト連邦の鉱物学者レオニード・クーリック率いる調査隊が初めて現地入りした際、研究者たちは巨大な衝突孔を見つけることを確信していました。しかし、彼らが目の当たりにしたのは、爆心地中心部で枝葉を失い電柱のように直立したままの樹木群(通称「電話柱の森」)と、そこから外側へ向けて蝶の羽のように放射状に倒れた無数の巨木でした。

この特異な倒木パターンは、天体が地表に直撃したのではなく、上空5〜10キロメートルの大気圏内で天体が急激に運動エネルギーを解放する「空中破裂(エアバースト)」を起こした決定的な証拠です。秒速数十キロメートルで大気圏へ突入した天体は、前方に超高圧の衝撃波(ラム圧)を形成します。天体の強度がこの圧縮力に耐えられなくなった瞬間、一気に破砕・気化して球状の衝撃波が直下へ吹き荒れました。中心直下では下向きの圧力が加わったため幹が直立して残り、周囲では強烈な横風となって森林を薙ぎ倒したのです。

項目ツングースカ大爆発のデータチェリャビンスク隕石(2013年)編集部の見解・評価推定爆発威力10〜15メガトン(TNT換算)約0.5メガトン(約500キロトン)ツングースカはチェリャビンスクの20〜30倍規模天体直径・材質直径50〜80m(石質小惑星/氷彗星)直径約17〜20m(普通コンドライト)大気圏で完全粉砕される臨界サイズの典型例破裂高度上空5〜10 km上空約29.7 kmより低空で炸裂したため地表破壊が極大化地表クレーターの有無なし(微細片・塵芥のみ飛散)なし(湖の氷に突入孔のみ)エアバースト型衝突では大穴は形成されない
佐藤 大輔
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佐藤 大輔

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