ネット上の掲示板やSNSでは、長年にわたり「メンバー間の不仲説」や「事務所による冷遇説」といった真偽不明の憶測が飛び交い続けています。しかし、現場取材や卒業生たちの後発的な対談企画から見えてくる現実は、ファンが想像する「感情的な対立」とは全く異なる構造です。
第一に、黄金期の「ギスギス感」と語られる事象の多くは、演出家やプロデューサーによる徹底的なライバル意識の煽りによるものでした。当時の歌割り争奪戦は文字通りの死活問題であり、スタジオでの張り詰めた空気感は「不仲」というより「プロアスリート同士の過度な緊張関係」と呼ぶべきものです。後年、安倍なつみや後藤真希が語っているように、当時はプライベートを共有する余裕すらなく、互いにプロとして自立せざるを得ない極限状態に置かれていました。
第二に、「テレビ露出の減少=人気の凋落」という一般的な見方は、現代のハロー!プロジェクトのビジネスモデルを見誤っています。現在のモーニング娘。は、地上波バラエティへの過剰な依存を脱却し、年間数十本に及ぶホール・アリーナツアーの動員力、高額なファンクラブ会員維持率、そしてフェス出演による実力派オーディエンスの新規獲得に主軸を置いています。チケットの落選率やグッズの売上データを見る限り、その収益構造と動員力は極めて強固です。