ネット上には「どんなスーパーの芋でも簡単に無限増殖できる」といった過度に楽観的な情報が散見されますが、実践にあたっては知っておくべき法制度とバイオロジーの盲点があります。
① 種苗法(品種登録)に関する法的ルール
「紅はるか」や「シルクスイート」などの登録品種を種芋から育てて苗を作る行為自体は、「家庭菜園で自家消費する目的(個人の庭や市民農園で自分が食べるため)」であれば法律上認められています。しかし、自家増殖した苗や収穫物を他人に無断で販売・有償譲渡したり、フリマアプリ等へ出品したりする行為は種苗法違反(育成者権の侵害)となり、厳しい罰則の対象となります。苗作りはあくまで個人の趣味・家庭内利用の範囲で完結させなければなりません。
② ウイルスフリー苗との収量差
スーパーの食用芋は、数代にわたって栽培される中でウイルス病(斑紋モザイク病など)に潜在感染している可能性があります。病徴が出ていなくても、種苗メーカーが販売する「バイオ由来のウイルスフリー苗」と比較すると、最終的なイモの収量や形状の揃い具合に15〜30%前後の差が生じるケースがあります。「形が不揃いでも、自分で育てるプロセスと収穫の喜びを楽しむ」というスタンスで取り組むのが健全です。