2014年秋クールにテレビ朝日系列「金曜ナイトドラマ」枠で放送された『黒服物語』は、夜の歓楽街で生きる人間たちのリアルな息遣いを克明に描いたヒューマンドラマです。原作漫画を手がけたのは、『夜王』や『女帝』など夜の人間交差点・水商売の深淵を描き続けてきた巨匠・倉科遼(作画:成田マナブ)。ナイトビジネス界の裏表を知り尽くしたリアリズムに定評がある原作の骨格を活かし、よりエモーショナルな成長譚へと昇華させました。
物語の主軸となる黒服物語のあらすじは、医師の家庭に生まれながらも大学受験に失敗し続け、人生の袋小路に迷い込んでいた主人公・小川彰が、ふとしたきっかけから池袋のキャバクラ「ジュリエット」に迷い込むところから始まります。そこで出会った店の絶対的No.1キャバクラ嬢・杏子の美しさと気高さに一瞬で心を奪われた彰は、彼女を支えたいという一心から、経験ゼロの「見習い黒服」として夜の世界へ飛び込むことを決意します。
しかし、きらびやかなネオンの裏に広がっていたのは、客の奪い合いに狂奔するキャストたちの嫉妬、売上至上主義を掲げる幹部黒服同士の権力闘争、そして暴力団やライバル店との苛烈な抗争でした。単なるお仕事ドラマにとどまらず、彰が幾多の裏切りや挫折を味わいながら「誰かのために生きる覚悟」を獲得していくプロセスこそが、本作の真骨頂です。
さらに、ドラマの緊迫感と疾走感を加速させたのが、Sexy Zoneによる黒服物語の主題歌「君にHITOMEBORE」です。甘く情熱的なメロディと印象的なフレーズは、夜の街で繰り広げられる危ういロマンスと完璧にシンクロし、視聴率やSNSの反響を大きく押し上げる原動力となりました。