レンコンのアク抜きは不要?酢水と水の違いと失敗しない下処理の極意

レンコンのアク抜きは不要?酢水と水の違いと失敗しない下処理の極意

レンコンのアク抜きは不要?酢水と水の違いと失敗しない下処理の極意の具体的な内容に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

レンコンを切ると断面が次第に赤褐色や灰色へとくすんでいく現象を誰もが経験したことがあるはずです。このレンコンの黒ずみ理由は、内部に含まれるポリフェノール化合物(主にタンニン)が空気に触れ、酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)の働きによって酸化重合するためです。決して腐敗や傷みによる変色ではありません。

この酸化によるレンコンの変色防止と食感コントロールを目的として行われるのがアク抜きです。しかし、すべての調理で同じ下処理を行うのは得策ではありません。仕上がりの違いを生む3つのアプローチを整理します。

1つ目は「酢水にさらす」方法です。酢に含まれる酢酸によってpHを酸性に傾けると、酸化酵素の活性が急激に低下し、レンコン本来の透き通るような白さを維持できます。さらに、植物細胞同士を接着しているペクチンという食物繊維が酸によって不溶化・安定化するため、熱を加えても崩れにくく、れんこんのシャキシャキ感を酢の力で極限まで際立たせることが可能です。

2つ目は「水だけにさらす」方法です。表面ににじみ出た余分なデンプンや浮遊するポリフェノールを物理的に洗い流すことで、過度な変色や煮汁の濁りを抑えます。酸を加えないためペクチンが適度に軟化し、煮物にした際にダシが芯まで染み込み、ほっくりとした食感に仕上がります。

3つ目は「あえてアク抜きをしない」選択です。油で強火で炒める料理や、醤油・味噌・オイスターソースなど色の濃い調味料を使う場合、多少の変色は仕上がりに影響しません。むしろ、アクの正体であるレンコンのポリフェノールや栄養、素材本来の力強い香ばしさを余すところなく味わいたい場合、レンコンのアク抜きをしない調理法が極めて合理的です。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。