ネット上で流布している外貨両替に関する情報のなかには、現在の金融インフラの実情に即していない誤解が数多く存在します。代表的な3つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「外貨両替は出国直前に成田・羽田空港でするのが一番お得」
これは最も典型的な思い込みです。空港の両替所はテナント料や運営コストが高く、手数料スプレッドは都市銀行の通常窓口よりも広く設定されている傾向があります。現金をどうしても持ちたい場合でも、事前にチケットショップを活用するか、現地到着後に優良デビットカードでATMキャッシングを行う方がトータルコストを抑えられます。
誤解2:「クレジットカードの海外決済は手数料が高すぎるから現金が良い」
実態は逆です。クレジットカードの海外事務手数料(約1.6%〜2.2%)は、日本の主要銀行窓口でドル紙幣を買い取る際の手数料(約2.5円〜3円=約1.7%〜2.0%)と同等か、それ以上に優良なレートが適用されます。さらに利用金額に応じたポイント還元(0.5%〜1.5%)が得られるため、実質コストではクレジットカード決済の方が現金両替よりも有利になります。
誤解3:「手元に残った300ドル紙幣は、円高になるまでタンス預金しておくべき」
インフレ環境下において、現金のまま長期間退蔵することは資産価値の目減りを招きます。特に米国紙幣はデザイン刷新に伴い、海外の小規模両替所では旧札の受け入れが拒否されるリスクも存在します。明確な旅行予定がないのであれば、適切なタイミングで円転するか、外貨預金口座に入金して金利収入を得る方が経済合理性に適っています。