インターネットの検索窓やSNSのコミュニティでは、「経血が真っ黒で怖い」「悪い病気ではないか」という不安の声が後を絶ちません。しかし、日本産科婦人科学会の指針や臨床医の知見に照らし合わせると、黒い色そのものが直ちに悪性疾患を意味するわけではありません。
血が黒ずむ最大の要因は「出血のスピードと滞留時間」です。出血の勢いが緩やかであるほど、子宮内や膣内に留まる時間が長くなり、ヘモグロビンがメトヘモグロビンへと化学変化を起こして黒褐色へと変色します。つまり、量が少ない日の黒い経血は、むしろ正常な自浄・排出プロセスの範疇であることが大半です。
真に警戒すべきなのは「色」単体ではなく、「色と量・期間・痛みの組み合わせ」です。例えば、生理で経血に黒い塊が混ざる場合でも、小指の爪程度の小さなサイズで単発であれば過剰な心配はいりません。しかし、500円玉大を超える巨大なレバー状の塊がナプキンを取り替えるたびに出る場合は、器質的な病変が疑われます。