プルオーバーは優れた筋肥大効果を持つ反面、やり方を誤ると関節を痛めやすい種目としても知られています。プルオーバー肩痛める理由の多くは、肩関節の「インピンジメント(衝突)」と回旋腱板(ローテーターカフ)への過度な伸張ストレスです。
腕を頭上に高く挙げる動作(屈曲)において、肩甲骨が適切に上方回旋せずロックされたままだと、上腕骨頭が肩峰と衝突し、腱板や滑液包を挟み込んで強い炎症を引き起こします。特に「肩関節を内旋させたまま(腕を内側に捻ったまま)深く下ろす」動作は極めて危険です。
肩の痛みを未然に防ぐためのセーフティルールは以下の3点です。
まずは「可動域を自分の柔軟性の限界手前で止めること」。ダンベルを下ろした際、上腕がベンチの座面と水平、あるいは頭頂部と同じ高さに達した時点で十分に強いストレッチがかかります。無理に床スレスレまで下ろす必要はまったくありません。
次に、プルオーバーベンチ角度の工夫です。フラットベンチで肩の詰まりを感じる場合は、インクラインベンチ(約15〜30度)に座って行うか、デクラインベンチを活用することで、肩関節の衝突リスクを大幅に低減できます。
最後に、ウォーミングアップとして肩甲骨周りや広背筋の動的ストレッチを十分に行い、肩甲上腕リズムを整えてからメインセットに入ることが鉄則です。