動物病院の口コミを精読すると、時折見られる「重症患者を優先されて順番を飛ばされた」「診察があっさり終わった」といった不満の声。しかし、ここには獣医療現場特有の「救急トリアージ」と飼い主心理の乖離が存在します。
動物医療現場では、呼吸困難やショック状態、急性中毒など、一分一秒を争う急患が飛び込んできた場合、事前の受付順番に関わらず生命維持を最優先するトリアージが適用されます。順番が前後するのは、医療機関として極めて正常かつ高度な倫理判断が行われている証拠です。
さらに社会学的な視点で見れば、現代のペット飼育は単なる「愛玩」を超え、ペットを人間の子どもと同等に扱う「家族化(ヒューマニゼーション)」が急速に進行しています。その結果、飼い主側の不安や心理的防衛が過敏になり、獣医師に対する期待値が際限なく膨らむ傾向にあります。
はとがや動物病院の院長をはじめとする医療チームは、過剰な投薬や不必要な検査をむやみに勧めるのではなく、「動物の身体的負担を最小限に抑えること」を重視する傾向があります。この引き算の医療アプローチが、過剰な手厚さを求める一部の飼い主から「ドライに見えた」と誤解されるケースがあります。本質を見極めれば、動物の予後を第一に考えた冷静なプロフェッショナリズムの表れと言えます。