房総半島への紅葉狩りで最大のボトルネックとなるのが交通渋滞だ。紅葉シーズン中の休日は、東京湾アクアライン上り線の木更津金田本線料金所を先頭に、午後14時から20時にかけて最大20km以上の激しい渋滞が発生する。この混雑構造を逆手に取った紅葉狩り混雑回避の真相と、静寂を満喫できる推奨ルートを公開する。
混雑知らずの隠れた名勝|もみじロード・亀山湖・小松寺・泉自然公園
人混みを避け、心ゆくまで色づく木々と対話したい旅人には、中南部に点在する千葉の紅葉穴場スポットが最適な選択肢となる。
富津市の志駒川沿いを走るもみじロード富津は、県道182号線の約10km区間に約1,000本のもみじが自生・植栽された屈指のワインディングロードだ。地元の保存会によって手厚く管理されており、11月下旬から12月上旬にかけて道路両脇が紅葉のトンネルと化す。駐車場は点在する臨時駐車スペース(数台〜十数台規模)に頼る形となるため、朝早い時間帯の通過が望ましい。
湖上からの眺望という唯一無二の体験を提供するのが、亀山湖紅葉クルーズだ。君津市に位置する亀山ダムは複雑に入り組んだ湖岸線を持ち、陸路では近づけない断崖絶壁に根を張るモミジ群が存在する。紅葉時期限定で運航される各ボートハウスの遊覧船(約40分、要予約推奨)に乗り込めば、水鳥の羽ばたきを聞きながら水鏡に映る紅葉の大パノラマを独占できる。
さらに南下した南房総市千倉町の山間に佇む小松寺の紅葉は、房総半島で最も遅くまで鑑賞できる秘境寺院のひとつだ。境内を覆うカエデ古木と苔むした石段のコントラストが見事で、ペット同伴参拝にも温かい理解があることで知られる。12月第1週から第2週にかけて見頃のピークを迎えるため、他県ですでに冬景色となった時期に鮮烈な秋を感じられる。
千葉市郊外に広がる泉自然公園紅葉情報も見逃せない。都心から車で約40分、平和公園の東側に位置するこの風致公園は、約43ヘクタールの敷地に約80種、1,500本以上の紅葉樹が息づく。谷を渡る長さ65mの吊り橋「いずみ橋」からの俯瞰景観は圧巻でありながら、敷地が極めて広大なため混雑の圧迫感をほとんど感じずに散策できる。
渋滞を完全無力化する「逆流型」千葉紅葉ドライブコース
首都圏から自家用車で向かう読者に強く推奨したいのが、早朝出発と房総半島内陸縦断を組み合わせた千葉紅葉ドライブコースだ。
午前6時30分までにアクアラインを通過し、圏央道・市原鶴舞IC経由で午前7時30分に養老渓谷へ到着。午前中の早い時間帯に粟又の滝周辺を散策したのち、一般道で君津方面へ抜け、11時前に亀山湖の遊覧クルーズを体験する。昼食後は県道182号のもみじロードを南下して富津館山道路へ抜け、富津岬や木更津周辺で日帰り温泉や買い物を楽しみつつ、アクアラインの渋滞が解消に向かう20時以降に帰路へ着く。この「朝イチ山間部・夕方海沿いステイ」の行程を踏むことで、観光地での駐車待ちと高速道路のノロノロ運転を最小限に抑えることが可能だ。