ネット上の掲示板やSNSで「第9sy ビル」がトレンド入りした経緯を時系列で辿ると、日本のデジタル空間特有の炎上構造が浮き彫りになる。
発端となったのは、とあるコンセプトバーで発生した高額請求疑惑と、それに伴うキャストの告発動画だった。「頼んでいないボトルが開けられた」「退店を求めても引き止められた」という生々しい音声データがSNSに投稿されるや否や、瞬く間に数百万回再生を記録。コメント欄には「あそこは昔からヤバい」「近寄らない方がいい」といった真偽不明の伝聞が怒涛のように書き込まれた。
さらに、5ちゃんねるの夜職関連スレッドやホスラブといった地域特化型の匿名掲示板において、無関係なフロアの店舗まで巻き込んだ誹謗中傷や憶測の書き込みが連鎖。結果として、「特定の1店舗で起きた個別トラブル」が「ビル全体の構造的な不正」へとネット上でスライドして解釈される現象が固定化してしまったのだ。
しかし、所轄警察署の広報資料や地域パトロールの巡回記録を精査しても、同ビル全体を対象とした刑事事件の摘発記録は存在しない。ネットの反応が作り出した過熱した虚像と、警察の公的記録の間には明らかな乖離が存在している。