法要当日に準備すべき金銭は、純粋な読経料だけではありません。遠方から招く場合の「御車代」、法要後の会食を僧侶が辞退された際の「御膳料」、さらに同日に納骨を行う場合の「納骨法要のお布施」が加わります。それぞれの費用の内訳と宗派ごとの特徴を整理しました。
宗派ごとの教義による違いも理解しておく必要があります。例えば浄土真宗では、亡くなった人は即座に阿弥陀如来の力によって極楽浄土へ往生する「往生即身仏」の教えをとります。そのため、故人の冥福を祈る「追善供養」という概念が存在しません。四十九日のお布施も「故人を極楽へ送るための対価」ではなく、仏法に触れる機会をいただいたことへの「阿弥陀如来への報恩感謝」として納めます。金額相場自体は3万〜5万円で他宗派と変わりませんが、のし袋に蓮の花の絵柄が入ったものは使用せず、白無地の封筒を用いるのが厳格な作法です。
一方、禅宗である曹洞宗では、追善供養の儀礼を重んじ、綿密な修行精神を儀式に反映させます。曹洞宗における相場も3万〜5万円が主流ですが、開眼供養(位牌や墓石に魂を込める儀式)を同日に行う場合は、別途1万〜3万円が加算される事例が多く見受けられます。