スマートフォンの画面をスクロールする手が、ピタリと止まる。
今、若者たちの間で囁かれているのは、タイムラインに突如として現れる「赤い服の女」の動画だ。かつてのテレビ番組で描かれた怪異は、あくまで「画面の向こう側の出来事」だった。しかし、令和の怪異は違う。視聴者の位置情報をトリガーにするかのように、ユーザーの身近な地域での目撃談とセットで拡散されるのだ。
「最初はただのネタだと思っていました」と語るのは、都内の大学に通う20代の女性だ。「でも、自分の最寄り駅の近くで撮られたという動画を見てから、夜道が怖くて歩けなくなりました。あの独特の、不自然に折れ曲がったような歩き方が、夢に出てくるんです」
単なる悪ふざけのフェイク動画なのか、それとも現代に蘇った新たな怪異なのか。ネット上の議論は今も白熱している。