家づくりにおいて見落とされがちなのが、金銭面におけるハードルです。インナーバルコニー建築費用相場は、一般的な片持ちのアルミベランダと比較して跳ね上がります。柱や梁で構造を支え、下階の居室の上に配置される場合は二重の断熱工事や厳重なFRP・金属板防水処理が求められるため、4〜6畳程度の広さを確保するだけで150万〜250万円以上の増額となるケースが珍しくありません。
さらに施主を悩ませるのが、延床面積と固定資産税の計算です。建築基準法施行令第2条第1項第3号の規定に基づき、バルコニーは「外気に有効に開放されている部分の高さが1.1m以上あり、かつ奥行きが2m以下の部分」については延床面積に算入されません。しかし、インナーバルコニーは三方が建物の壁に囲まれて屋根がかかる形状になりやすく、自治体の建築主事や検査機関によって「屋内用途に供する空間」と見なされ、全床面積が延床面積に算入される事例が多発しています。
延床面積に算入されると、建築確認申請上の容積率制限を圧迫するだけでなく、引き渡し後の固定資産税の評価額にも永続的に跳ね返ります。屋根と三方の壁があることで家屋評価基準上の点数が加算され、通常の屋外バルコニーであれば非課税となるスペースに対して、毎年数万円単位の税金が課され続ける計算になります。初期費用とランニングコストの両面で、二重の財務負担が生じる構造的罠を把握しておかなければなりません。