青梅ジャムの仕上がりを左右する最大の変数は、砂糖の種類と添加量です。酸味が強烈な青梅に対して砂糖を減らしすぎると、酸が立ちすぎて喉を刺すような味になるだけでなく、ジャム特有のとろみをつかさどるペクチンのゲル化が起きず、サラサラの液体で終わってしまいます。
編集部が推奨する青梅ジャム砂糖の黄金比率は、下茹でして種を取り除いた「果肉正味重量」に対して60%から70%です。梅本来のシャープな酸味を際立たせたい場合は60%、パンやスコーン、ヨーグルトに馴染む濃厚な甘酸っぱさを求めるなら70%が理想的な着地点となります。
砂糖の糖度(Brix)が60度以上になることで、浸透圧の作用によって微生物の繁殖が強力に抑制され、長期保存の安定性が担保されます。健康志向から「糖分40%以下」で作ろうとする試みも見られますが、カビの発生リスクが跳ね上がるだけでなく、煮詰め時間を延ばさざるを得なくなり、長時間の加熱によってジャムが茶色く焦げ付く決定打となってしまいます。
使用する砂糖は、無色透明に仕上がるグラニュー糖または純度の高い白双糖(しろざらとう)が一択です。三温糖やきび砂糖、黒糖を使うとコクは出ますが、青梅特有の澄んだグリーンは完全に失われ、褐色に染まります。色を優先するか、独特の風味を優先するかで選択が分かれますが、目にも鮮やかな翡翠ジャムを目指すならグラニュー糖以外に選択肢はありません。