関東馬の躍進を語る際、ネット掲示板や一部の解説で根強く囁かれるのが「美浦が強くなったのはトレセンのおかげではなく、ノーザンファーム天栄などの外厩施設が高性能だからに過ぎない」という外厩依存論です。しかし、この言説には明確な認識のズレが存在します。
たしかに、福島県天栄村をはじめとする民間外厩の坂路施設や育成ノウハウは世界トップレベルです。しかし、外厩でどれほど完璧に下地を作っても、レース直前の2〜3週間を過ごすトレセン本場で実戦に向けた強い負荷をかけられなければ、トップコンディションの維持は不可能です。過去の美浦では、外厩で仕上げた馬がトレセン入厩後に緩んでしまう、あるいはコース追いの負荷に耐えきれず体調を崩すというジレンマが頻発していました。
現在の美浦トレセンは、トレッドミルやスイミングプール、最新のゲート練習棟や獣医診療所といった施設最新動向においても栗東と肩を並べています。外厩で積み上げた筋力を、美浦の新坂路とウッドチップでさらに一段上の実戦仕様へと研ぎ澄ます「本場と外厩のシームレスな連動」こそが真実であり、「外厩頼み」という見方は現場の実態を見誤った過去の遺物と言わざるを得ません。