防已黄耆湯の最大の薬理作用は、体内に滞った余分な水分を体外へ排泄し、低下した基礎代謝と水分循環を底上げすることにあります。漢方医学では、生命エネルギーである「気(き)」が不足した状態を気虚(ききょ)、水分バランスが崩れて局所に溜まる状態を水滞(すいたい)と呼びます。防已黄耆湯はこの「気虚水滞」を根本から解消するために設計された6種類の生薬(防已・黄耆・白朮または蒼朮・大棗・甘草・生姜)で構成されています。
臨床データおよび服薬指導の現場において、効果を実感するまでのタイムラインは主に2段階に分かれます。
- 服用開始〜2週間(初期段階):尿量の増加や発汗の正常化がみられ、夕方の脚の張り感や顔のむくみが軽減し始めます。
- 1ヶ月〜3ヶ月(体質改善期):余分な水分が抜けることで体重が1〜2kg程度減少し、重だるかった下半身や二の腕のたるみが引き締まります。
さらに防已黄耆湯は、関節に水が溜まることで生じる変形性膝関節症の腫れや関節痛の改善にも医療用医薬品として保険適用されています。また、体力がなく皮膚の表面が緩んで汗が止まらなくなる多汗症(いわゆる虚汗・冷や汗)の汗止め効果に対しても高い有用性が報告されています。