日常会話でも広く使われる「あげまん」だが、その本来の語源には諸説ある。もっとも有力とされているのが、巡り合わせや運、タイミングを意味する「間(まん)」が良くなる=「上げ間」という芸能・花柳界由来の言葉だ。運気のリズムや潮時を指す言葉として使われていたものが、やがて「一緒にいる相手の運勢を押し上げる存在」を指す隠語へと発展したとされている。
この言葉が一気に大衆へ浸透した決定的なきっかけは、1990年に公開された伊丹十三監督の映画『あげまん』(主演:宮本信子)である。劇中では、芸者から身を起こした主人公が関わる男たちを次々と出世させていく姿が描かれ、当時の日本社会に鮮烈なインパクトを与えた。この大ヒットによって「あげまん」という言葉は男女問わず広く認知され、パートナーを成功へと導く女性の代名詞として定着した経緯がある。