美智子さまと恵美子さんを育んだ正田家は、近代日本の実業界を牽引した屈指の名家です。父・正田英三郎氏は日清製粉の社長・会長を歴任した実業家であり、母・正田富美子さんは旧佐賀藩士・副島家の血を引く聡明な女性でした。正田家の4人兄弟姉妹は、長男・巌氏(元日本銀行監事)、長女・美智子さま、次女・恵美子さん、次男・修氏(元日清製粉グループ本社社長・会長)という、まさに日本を代表する知性派揃いの一家です。
美智子さまが1959年(昭和34年)に皇太子明仁親王(現・上皇さま)とご成婚された翌年、1960年(昭和35年)に恵美子さんは安西孝之氏と結婚しました。この婚姻は、当時の経済界・政界において極めて大きな注目を集めることとなります。
安西孝之氏は、昭和電工の社長を務めた財界の重鎮・安西正夫氏の長男であり、自身も昭和エンジニアリング社長や日本ゴルフ協会(JGA)会長などの要職を歴任した第一線の大実業家です。さらに安西家は、森コンツェルン創業者である森矗昶(もり・のぶてる)一族と深く結びついており、元首相の佐藤栄作氏や中曽根康弘氏などとも親戚関係にあります。正田家と安西家の結びつきは、日本の近代経済史における最も洗練された閨閥ネットワークの象徴と言えます。