黄金色とは?金色や山吹色との違いやカラーコード・文化の深層を徹底解明

黄金色とは?金色や山吹色との違いやカラーコード・文化の深層を徹底解明

黄金色とは?金色や山吹色との違いやカラーコード・文化の深層を徹底解明について知っておくべき 事実を分かりやすく解説いたします。

時代劇の名シーンとして誰もが思い浮かべるのが、薄暗い商家の一室で繰り広げられる悪代官と豪商の密談です。「お主も悪よのう」「いえいえ、お代官様ほどでは……」というやり取りとともに差し出される桐箱。上段には羊羹や饅頭が並び、下段にはぎっしりと敷き詰められた小判の山――これこそが、有名な「黄金色の菓子(山吹色の菓子とも)」の正体です。

歴史考証や江戸風俗史の専門資料を調査すると、この表現には当時の贈答儀礼と社会構造に根ざした極めて巧妙なレトリックが隠されていたことが分かります。

江戸幕府の基本法である『武家諸法度』や各種の禁令において、幕臣や代官への露骨な金品贈賄(袖の下)は死罪を含む厳罰の対象でした。そのため、金銭を直接やり取りすることは言語道断のタブーとされていたのです。そこで商人たちは、贈答用の高級菓子箱の底に重箱仕掛けを施し、小判(金の含有率が高い慶長小判や享保小判)を忍ばせる隠語として「黄金色の菓子」「山吹色の菓子」という優雅な符牒を用いました。

なぜ「金色」ではなく「黄金色」あるいは「山吹色」と呼んだのか。そこには二重の理由が存在します。

  • 視覚的類似性:江戸期に流通した大判・小判は、純金ではなく銀や銅が意図的に配合されていたため、現代の純金インゴットのような冷たい黄金色ではなく、赤みを帯びた独特の黄褐色を放っていたこと。
  • 言語的カムフラージュ:露骨な金属名(金)を口にすることを忌み嫌い、「自然の恵みや風流な菓子」に見せかける日本特有の諧謔(アイロニー)と美学が働いていたこと。

大衆演劇や昭和から平成にかけて制作された時代劇ドラマの脚本家たちへの取材証言でも、「黄金色の菓子」という台詞は、単なる贈賄描写を超えて「人間の欲望の深さと、それを包み隠す虚飾の美意識」をワンカットで伝える最高の発明として受け継がれてきたことが語られています。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。