加藤憲史郎のキャリアを検証する上で外せないのが、テレビ朝日の看板ドラマ『相棒』シリーズへの出演です。憲史郎は『相棒 season11』第18話「BIRTHDAY」(2013年)において、誘拐される少年役を熱演。緊迫感漂うサスペンスの中で、恐怖と葛藤を全身で体現し、水谷豊演じる杉下右京らベテラン俳優陣を唸らせました。さらに数年後、『相棒 season16』第19話(2018年)にも別役で再登板を果たし、少年期特有の複雑な心理描写を見事に演じきっています。
また、2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』では村田新八の少年時代を演じ、薩摩弁の過酷なセリフ回しを自然に操り、時代劇の現場でも即戦力であることを証明しました。さらに特撮ドラマ『動物戦隊ジュウオウジャー』やテレビ朝日系『BG〜身辺警護人〜』など、ジャンルを問わず多様な映像現場で経験を蓄積してきたのです。
しかし、憲史郎の真骨頂は舞台・ミュージカルの世界にあります。帝国劇場をはじめとする大劇場で上演される最高峰ミュージカル『ミス・サイゴン』のタム役や、『エリザベート』の少年ルドルフ役という、子役にとって最難関とされる大役を歴任。劇団ひまわりで幼少期から叩き込まれたクラシックバレエや声楽の基礎は、過酷なロングラン公演を支える強靭な持久力となり、舞台関係者から「台本読解の解像度が極めて高い」と絶賛されるまでに至りました。