桑名正博の没後、最もワイドショーを賑わせた事件といえば、2018年秋から2019年にかけて発生した「偽息子騒動」です。「桑名乃羅(のら)」と名乗る男性が日本各地のスナックや飲食店に現れ、「桑名正博の長男である」と自称。桑名の歌を披露して飲食代を奢らせたり、旅費名目で金銭を借り受けたりするトラブルが相次いで報じられました。
公の場で見せた表情の翳りや発言のニュアンスに注目が集まるなか、この騒動に正面から向き合ったのが、実の息子である美勇士でした。怒りを露わにして法的措置をチラつかせる選択肢もありながら、美勇士は「親父なら『困ってるなら飯くらい食わせてやれ』と言うかもしれない」「もし本当に親父の隠し子なら、自分にとっては弟になる。ちゃんと話をしてみたい」と極めて冷静で慈悲深いスタンスを貫きました。
2018年12月、民放の情報番組内で両者は直接対面を果たします。緊迫した空気のなか、美勇士は相手をいたずらに追い詰めることなく、DNA型鑑定を実施することを合意。年明けに発表された鑑定結果は「血縁関係なし(0%)」という揺るぎない客観的数値でした。この結果を受けて偽息子を名乗った人物は自説を撤回・謝罪し、事態は完全に収束しました。SNSやネット掲示板では当時、「美勇士の器の大きさが半端じゃない」「親父の豪放さを本当の意味で受け継いでいる」と、その大人の対応に賞賛の嵐が巻き起こりました。