ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラという二人の天才クリエイターの手によって生み出された『トムとジェリー』。誕生から85年という記念すべきアニバーサリーを迎えた今回の展覧会は、単なる懐古的な回顧展にとどまりません。アニメーション史の金字塔としての学術的価値と、現代のデジタル世代をも魅了するインタラクティブなエンターテインメントが見事に融合した空間設計となっています。
会場に足を踏み入れると、まず来場者を圧倒するのが1940年代のアカデミー賞受賞作にまつわる門外不出のオリジナル原画やスケッチの数々です。鉛筆のストローク一つひとつから、キャラクターに命を吹き込むアニメーターたちの息遣いがリアルに伝わってきます。関係者への取材によると、日本初公開となる貴重なアーカイブ資料も多数含まれており、アニメーション制作の舞台裏を知る貴重な機会として業界内外から高い関心を集めています。
さらにファンの視線を集めているのが、作中で繰り広げられる激しい追いかけっこの末に「ペシャンコにつぶされたトム」や「チーズの形に変形したジェリー」などを忠実に再現したユーモラスな立体アート展示です。視覚的なおもしろさだけでなく、写真撮影可能なフォトスポットとして設計されているため、世代を問わず笑顔でシャッターを切る来場者の姿が印象的です。