専門家やサバイバル技術のプロに同じ質問を投げかけると、返ってくる答えは一般のイメージと大きく乖離している。素人が真っ先に思い浮かべるのは「大型ナイフ」や「マッチ」だろう。しかし、これらには深刻な罠が潜んでいる。
湿気で使えなくなるマッチは論外としても、刃物は使い方を誤れば自らを傷つける凶器と化す。医療体制のない極限状態において、指一本の深い切り傷が感染症を引き起こし、そのまま敗血症で命を落とすケースは珍しくない。道具の万能さに依存する思考こそが、最初の落とし穴なのだ。
では、専門家が口を揃えて挙げる「生存率を劇的に上げる究極の1品」とは何か。結論から言えば、それは「高品質なポータブル浄水器(または大型のステンレス製直火調理容器)」である。人間は食料がなくても3週間生きられるが、水分補給が絶たれればわずか3日で死に至る。海水から塩分を除去するのは容易ではないが、島内に存在する淡水(川や湧き水、雨水)を即座に安全な飲用水に変える能力は、命を繋ぐ最大の生命線となる。