実験的なエッジを効かせながらも、決して一部のマニア向けで終わらせないのが彼の真骨頂だ。『千鳥のクセがスゴいネタGP』では、芸人たちの荒削りな狂気や異色のキャラクターを、千鳥という希代の語り部を通して極上の大衆エンターテインメントへと変換してみせた。
また、予測不能なマッチングで社会現象を巻き起こした『まつもtoなかい』では、台本を超えた生々しい人間ドラマをスタジオに現出させた。予定調和を何よりも嫌い、予定不調和のなかにこそ宿る「人間の剥き出しの魅力」を引き出す演出術。その手綱さばきは、緻密でありながら狂気を孕んでいる。