「犬や猫にはマイクロチップの装着が義務化されているのだから、人間の子どもにも同じように埋め込めるはずだ」という誤認が後を絶ちません。しかし、ペット用マイクロチップとGPS端末は、根本的に異なる技術です。
ペットに埋め込まれるマイクロチップは、直径約1.4〜2ミリ、長さ約8〜12ミリ程度の円筒形ガラスカプセルに収められた受動型RFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれる装置です。これにはバッテリーもGPS測位機能も通信アンテナも一切搭載されていません。
動物病院や保健所にある専用リーダー(読取器)を数センチ〜十数センチの至近距離にかざした時のみ、リーダーから発せられる電磁波に反応して、カプセル内に書き込まれた15桁の「個体識別番号(ID)」を電波で返送する仕組みです。つまり、「街中を歩いている迷子のペットをリアルタイムで追跡する」機能は一切なく、保護された後にスキャナーで読み取ってデータベースと照合するための名札に過ぎません。
スウェーデンなどの一部欧米諸国や日本のガジェット愛好家の間で話題となる「人体へのマイクロチップ埋め込み」も、ドアの解錠や社員証の代用、決済用のNFC/RFIDチップであり、自律的に居場所を送信する追跡機能は皆無です。