単行本にまつわる情報の中には、ネット上で誤って解釈されている盲点がいくつか存在します。代表的な3つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「単行本は必ずハードカバーである」
前述の通り、単行本とは出版形態(独立した1冊)を指す言葉であり、製本様式(ハードカバーかソフトカバーか)を指す言葉ではありません。ビジネス書や自己啓発本、タレント本、コミックスの大部分はソフトカバーの単行本です。
誤解2:「文庫本は単行本の完全な下位互換である」
「文庫本は単行本の安物」と捉えるのは誤りです。文庫化にあたって著者が徹底的な推敲を行い、単行本初版から展開や結末の一部をブラッシュアップするケースは多々あります。また、文庫版限定の解説(著名人や評論家による寄稿)や短編の追加収録があるため、熱心なファンは単行本と文庫本の双方を買い揃えることも珍しくありません。
誤解3:「最初から文庫で出る本は単行本ではない」
近年増加している「文庫書き下ろし」や「ライトノベル」は、単行本を経由せず最初から文庫形態で刊行されます。これらは流通区分としては文庫本ですが、機能としては「単行本を経ずに世に出たオリジナル作品」という特殊な位置づけになります。