山火事の被害は現地だけにとどまらない。膨大な煙と灰は上空高い大気層にまで達し、強力な偏西風に乗って太平洋を横断している。2026年5月に入り、西日本から東日本の広い範囲で空が薄かすみ、夕刻には異常なほど鮮烈な赤紫色の夕焼けが観測された。
環境省の大気モニタリングデータによると、微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が一時期、環境基準値を大幅に超えるエリアが相次いだ。呼吸器系に疾患を持つ高齢者や子どもはもちろん、健康な大人であっても屋外での激しい運動を控えるよう注意喚起が出されている。遙か彼方の森林火災が、巡り巡って私たちの呼吸を脅かす時代が来ている。