国道306号線の運行で最大のボトルネックとなるのが、三重県いなべ市と滋賀県多賀町をまたぐ鞍掛峠(標高約620m)周辺の山岳区間です。滋賀県側・三重県側の各土木事務所が発表する道路管理データによると、本区間は特殊通行規制区間に指定されており、連続雨量120mm〜150mmを超えた段階で事前通行規制(全面通行止め)が敷かれます。
特に冬期においては、積雪および路面凍結による重大事故を未然に防ぐため、例年12月上旬から翌年3月下旬〜4月上旬にかけて冬期閉鎖が実施されます。閉鎖解除の時期については、路面の残雪状況だけでなく、雪解け水による法面崩落の危険性調査や防護ネットの補修点検を経て最終決定されるため、年ごとの気象推移によって前後します。
また、台風や集中豪雨の後は、倒木や法面土砂の流出による緊急復旧工事が長期化する傾向があります。現場の保全作業員への取材でも「鞍掛峠は石灰岩質の脆い地層が多く、雨が止んだ後も地下水圧の上昇で落石や小規模崩落が遅れて発生しやすい」との証言があり、天候回復直後であっても解除まで安全点検の時間を要する構造的背景が存在します。