現実の人物から離れ、フィクションの世界に目を向けると、「世界一気持ち悪い」という称賛兼蔑称は全く異なる文脈で使われ始める。その代表格が、現代の映画産業においてカルト的なトラウマを植え付けた映画『ムカデ人間』シリーズだ。
オランダ出身の監督トム・シックスが生み出したこの作品は、複数の人間を口とアナルで物理的に結合するという狂気のプロットで世界中を震撼させた。作品に登場する狂気のマッドサイエンティストや無残な被害者たちの姿は、観客に強烈な生理的嫌悪感を与え、サブカルチャー史にその名を刻むこととなった。