問題が拡大した直接の引き金は、日本最大級のグルメレビューサイト「食べログ」に投稿された低評価の口コミだった。「頼んでもいない水で800円取られた」という不満の声に対し、インタビュー取材でシェフ側が答えた「いい店や高級店に行き慣れていない人たちの意見」という発言が、火に油を注ぐ格好となった。
日本の飲食店におけるサービス料やテーブルチャージの文化は、西洋に比べて曖昧に捉えられがちだ。欧米ではチップや席料、ミネラルウォーターの注文が明朗に分離されていることが多い。一方、日本では「おもてなし」の名のもとに、多くのサービスが料理の価格に内包されるか、無料で提供されることが期待される。高級店が求めるサービス料の正当性と、消費者が感じる「無断で加算された」という被害感が、ネット空間で激しく対立した。
この摩擦は、日本の消費者が「目に見えないサービス」に対してお金を払う文化をどのように受け止めるべきかという、根深い課題を浮き彫りにした。