現地を訪れると、その異様さに思わず息を呑む。周囲は整然と区画整理された市街地であり、目と鼻の先には日常の暮らしが広がっている。それにもかかわらず、竹藪の周囲には石垣と玉垣が張り巡らされ、正面には神聖な鳥居が佇んでいるのだ。
「子供の頃から『あそこに入ると神隠しに遭う』と口酸っぱく言われて育ちました」。近くで商店を営む老人は、藪の鳥居をちらりと見やりながら振り返る。柵越しに中を覗き込むと、鬱蒼と茂る竹と雑木が日光を遮り、昼間でも薄暗い闇が広がる。立ち入り禁止を示す案内板が静かにたたずみ、足を踏み入れる者を拒絶していた。