ここ数年、この場所を訪れる層の顔ぶれに明らかな変化が起きている。NHK連続テレビ小説『花子とアン』や『虎に翼』、あるいは各種映画の撮影地として使用された影響もあり、作品のファンが全国から熱心に足を運ぶようになった。
さらに注目すべきは、若い世代の「レトロ建築ブーム」との化学反応だ。クラシカルな衣装を身にまとって写真を撮影するレトロファッション愛好家や、建築のディテールをレンズに収めようとするクリエイターたちが絶えない。過度な装飾を排した現代建築とは対極にある「手仕事のぬくもり」と「本物の質感」が、デジタルネイティブ世代の感性を強く刺激しているのだ。