発達障害と一口に言っても、注意欠如・多動症(ADHD)と自閉スペクトラム症(ASD)では、部屋が散らかるメカニズムや課題となるポイントが大きく異なります。それぞれの特性に合致しない片付け手法を押し付けても、かえって混乱を招くだけです。
ADHD子供の片付けられない特徴として顕著なのは、衝動性と注意散漫による「やりっぱなし」です。特に不注意優勢型ADHDの部屋の散らかりにおいては、視界から消えた物の存在を忘れてしまう「客観的永続性の弱さ」が影響します。引き出しやフタ付きボックスに綺麗にしまうと、二度と思い出せなくなったり、探す過程で中身をすべてぶちまけてしまったりするトラブルが頻発します。
一方で、自閉スペクトラム症の整理整頓における障壁は「認知のこだわり」や「見通しの立たなさ」にあります。ASDの子供は独自の厳格なルールを持っていることが多く、大人から見れば散らかっている状態であっても、本人にとっては「並び順に意味がある配置」であるケースが珍しくありません。また、「片付けなさい」という曖昧な言葉から完了形をイメージできず、激しいパニックを引き起こす要因となります。