ニューエラの代名詞である「59FIFTY」は、メジャーリーグベースボールの公式選手用キャップとして1954年に誕生した歴史的傑作だ。映画監督のスパイク・リーが赤い59FIFTYを特注し、カスタムキャップのムーブメントを爆発させて以来、スポーツの枠を超えたカルチャーの象徴として君臨している。しかし、この王道モデルこそ雑な洗いに最も弱い構造をしている。
クラウン内部に仕込まれた厚手の芯地や、緻密なステッチワークは、一度大量の水を含んで揉まれると本来の綺麗なフォルムを失ってしまう。ウール素材から現代の高性能ポリエステル素材へと進化したものの、水分の含み方や熱による縮み現象を完全に防げるわけではない。歴史と伝統が詰まった名作だからこそ、雑な丸洗いは一瞬でその美観を奪う命取りとなるのだ。