本作を語る上で避けて通れないのが、2018年夏のリリース直後に発生した「チャート逆走劇」と、それに伴うネット上の騒動です。当時、TWICEやBLACKPINKといった大手事務所のトップアイドルを抑えて韓国の主要音源チャート(Melon、ガオンチャート等)で1位を獲得したことで、一部のネットコミュニティから音源買い占め(サジャギ)を疑う声が上がりました。
しかし、その後の韓国文化体育観光部による公的なデータ分析や警察の綿密な調査により、不正なチャート操作の証拠は一切認められず、潔白が証明されています。突発的なバズに見えた現象の裏には、Facebookの音楽キュレーション動画やインフルエンサーによる拡散、そして何よりクラブDJの間で現場支持が口コミで拡大していったという明確なオーガニックの文脈が存在していました。
SHAUNは決して無名の新人ではありません。EXOやBTS、SHINeeの楽曲制作やアレンジに携わってきた実績を持つトップクラスのプロデューサーであり、ロックバンドで培った生楽器のグルーヴと最先端の電子音楽を融合させられる極めて稀有なクリエイターでした。確固たるキャリアに裏打ちされた音楽的クオリティがあったからこそ、疑惑というノイズを払拭し、国境を越えて愛される普遍的マスターピースとなったのです。