ネット上の回顧記事やコミュニティでは「ボンボンは迷走してお色気に走り自滅した」「ポケモンに負けただけで作品力は低かった」といった短絡的な言説が散見されます。しかし、これらの言説は出版流通とホビービジネスの構造的力学を見落としています。
第1の誤解は、「作品クオリティの低下が原因だった」という点です。実際にはコミックボンボン 連載作品一覧を精査すると、『プラモ狂四郎』『SDガンダム』『ロックマン』『メダロット』など、現在のホビーカルチャーの基盤を築いた傑作が並んでいます。コミカライズを担当した作家陣(岩本佳浩氏、有賀ヒトシ氏、ほるまりん氏、横内なおき氏ら)の熱量と画力は極めて高く、作品自体の質が劣っていたわけではありません。
第2の誤解は、「編集部単体の失策」という見方です。児童漫画誌の部数は、提携する玩具メーカーのヒット商品サイクルに強く連動します。ガンプラ人気がリアル頭身のハイエイジ向け(MG/PGシリーズ)へ移行し、SDガンダムブームが一服した際、ボンボンを支える巨大ホビーの空白期間が生じました。コロコロがミニ四駆からポケモン、ベイブレード、デュエマへと間髪入れずにリレーを成功させたのに対し、玩具連動のタイミングが噛み合わなかった構造的要因こそが真の盲点でした。