インターネット上で「岩田剛典の昔の写真が衝撃的すぎる」と話題になる際、必ず引き合いに出されるのが慶應義塾大学在学中の姿です。当時の写真に写る彼は、小麦色に深く焼けた肌、明るいハイトーンの金髪、シルバーアクセサリーにタンクトップという、いわゆる1990年代末から2000年代の「渋谷・日サロ系ギャル男」を彷彿とさせるビジュアルでした。
このビジュアルの真相について、当時のインタビューや本人のエッセイ本『AZZURRO』で語られた事実を総合すると、単なるチャラついた学生生活の産物ではありませんでした。最大の要因は、彼が大学時代に全身全霊を捧げていたストリートダンスのジャンル「クランプ(KRUMP)」にあります。
クランプとは、LAの過酷なストリート環境から生まれたダンススタイルで、怒りや感情の高ぶりを身体全体で表現する激しいバンプやストンプが特徴です。岩田剛典は、日本を代表するクランプクルー「Twiggz Fam」に所属し、「Boi Twiggz(ボーイ・ツイッグス)」というダンサーネームで活動していました。当時のクランプシーンでは、肉体を誇示し、威嚇的で力強い存在感を放つために、極限まで日焼けサロンで肌を焼き、筋骨隆々の体躯を誇示するスタイルが一種の共通言語だったのです。
慶應義塾大学の屈指の大規模ダンスサークル「Dancing Crew JADE」で第22代部長を務めていた彼は、日中はキャンパスで法学を学びつつ、夜は深夜練に明け暮れ、全国大会やバトルイベントで頂点を目指す生活を送っていました。卒業アルバムの写真やサークル引退時の集合写真に見られるワイルドな風貌は、「ストリートカルチャーの最前線で命を削っていた痕跡」そのものと言えます。