中井貴一と小泉今日子の関係性を語る上で外せない金字塔が、2012年に第1期、2014年に第2期が放送されたドラマ『最後から二番目の恋』です。脚本家・岡田惠和が当て書きに近い形で紡いだ台詞の数々は、長倉和平(中井貴一)と吉野千明(小泉今日子)という不世出のキャラクターを生み出しました。
特に視聴者の心を捉えたのが、古民家カフェ「ナガクラ」のウッドデッキや江ノ電・極楽寺駅の改札前で繰り広げられる長回しの会話劇です。お互いの年齢や独身・死別といった境遇を皮肉りつつも、根底では孤独を分け合う二人の姿は、多くの40代・50代の共感を呼びました。
数々の共演ドラマ名シーンの中でも屈指の名場面とされるのが、第1期最終回における長倉家の食卓での会話です。「未来に夢を持つのもいいけれど、今日をちゃんと生きる大人になりたい」と語る千明に対し、和平が静かに、しかしユーモアを交えて肯定する場面は、アドリブを交えた二人の呼吸が見事に結実した瞬間でした。現場スタッフの証言によれば、台本数ページに及ぶ長台詞の応酬であっても、NGを出すことなく一発OKが連発されていたと伝えられています。