本来であれば戦慄すべき凶悪事件でありながら、なぜ「フロントガラス男」はここまで大規模なネットミームとなり、無数のコラ画像やMAD動画が作られる事態になったのでしょうか。その最大の要因は、ドライブレコーダー映像の構図と男の動きの特異性にありました。
ワイドショーなどでドラレコ映像が放映されるやいなや、SNS(現X)ではその衝撃的なビジュアルが即座に話題となりました。特にネットユーザーの注目を集めたのが、人気対戦格闘ゲーム『ストリートファイター』に登場するボーナスステージ「車破壊」を彷彿とさせる連打アクションです。真正面の定点カメラから捉えたアングルがまるでゲームのプレイスクリーンそのものだったため、クリエイターたちの創作意欲を刺激してしまいました。
ネット上には瞬く間に以下のようなパロディ作品が溢れ返ることになりました。
・格闘ゲームのUI(体力ゲージやコンボ数)を合成したパロディ動画
・『進撃の巨人』の奇行種や『バイオハザード』のゾンビに見立てたコラ画像
・アニメのオープニング曲や激しいBGMに合わせた音MAD
・有名漫画の必殺技エフェクトを拳の連打に重ね合わせたアニメーション
恐怖映像でありながら、あまりにも現実離れした挙動とコミカルにすら見えてしまう激しい動きのギャップが、ネット上での「おもちゃ化」を加速させる皮肉な結果を生み出したのです。