吸血害虫が人間を探し出す際、第一の標識となるのは吐気や皮膚から漂う二酸化炭素である。遠距離からは二酸化炭素の濃度グラデーションを感知して近づき、中距離では体温や赤外線、そして近距離に至って初めて体臭や皮膚の常在菌が醸し出す脂肪酸、そして血液型分泌物を識別する。医学論文データベースPubMedに収録されている最新の論文群を紐解いても、誘引要因は単一ではなく多層的な刺激の組み合わせであることが裏付けられている。
運動後の荒い呼吸や飲酒直後の体温上昇は、大量の二酸化炭素を放出するため格好の標的となる。しかし、同じ運動量で同じように汗をかいている二人並んだ人間がいる場合、最後の決め手となるのが皮膚表面の常在菌バランスや血液型由来の物質だ。つまり、血液型は「遠くから寄せる集客要素」ではなく、「直前で誰を刺すかを決める選別要素」として強力に作用している。