しかし、彼のキャリアは称賛だけで彩られているわけではない。近年、落語界を揺るがした師弟間の問題やパワーハラスメントを巡る裁判劇は、各種メディアでも大きく報じられ、伝統芸能における「師弟関係のあり方」に一石を投じることとなった。
封建的とも言われる寄席の世界で、弟子に対する指導や態度はどこまでが伝統であり、どこからが過剰なのか。かつて当たり前とされていた昭和の修業論が令和のコンプライアンス意識と衝突したこの問題は、多くの古典芸能関係者にとっても重い課題を突きつけた。渦中の人物となった彼に対する評価は賛否が分かれるところとなったが、それは同時に、伝統の世界が時代とどう向き合うべきかという本質的な問いでもあった。