SNSやレシピ動画サイトでは「ほうれん草もじゃがいもも切ってそのまま炒めるだけ」といった超時短テクニックが頻繁に拡散されています。しかし、料理の仕上がりや健康面において注意すべき科学的事実が存在します。
ほうれん草にはえぐみや苦味の元であり、過剰摂取すると結石の原因にもなり得る「シュウ酸」が含まれています。生食用のサラダほうれん草を除き、一般的なほうれん草を生のままじゃがいもと一緒にじっくり炒めてしまうと、シュウ酸が逃げ場を失って料理全体に苦味が回り、じゃがいもの優しい風味を損ねてしまいます。
ただし、大鍋に湯を沸かして長時間茹でる必要はありません。「沸騰した湯で30秒〜45秒だけサッと茹でて冷水に取る」または「ラップに包んでレンジで50秒加熱した後に冷水に30秒さらして水気を絞る」という短時間のアク抜きを行うだけで、シュウ酸の約70〜80%を除去できます。水に浸けすぎるとビタミンCや水溶性ビタミンが水中に流出してしまうため、冷水に取る時間は1分未満に抑えるのが鉄則です。
また、じゃがいもの芽(ソラニン等)の除去はもちろん、皮を剥いた後に水にさらしすぎると表面のデンプンが抜け落ちてホクホク感が低下するため、炒め物にする際は切った後軽く水気を拭き取る程度で調理に進むのがプロの現場におけるスタンダードです。