近年、ドラフト戦線を最も賑わせているのが享栄高等学校だ。恵まれた体躯から150キロ超のストレートを投げ込む超高校級投手を次々と輩出し、そのポテンシャルは全国のスカウト陣を唸らせてきた。しかし、夏の聖地への扉はあと一歩のところで幾度となく閉ざされてきた歴史がある。
悲願の甲子園切符を掴み取るために必要な最後のピースは何か。それは個々の突出した能力を、勝負どころのワンチャンスで確実に得点へと結びつけるチームの一体感だ。エースがどれほど剛速球を投げ込もうと、1点の重みを知る強豪相手には守備の綻びや走塁のミスが命取りになる。今季の享栄は個の力に頼る野球から脱却し、勝負強さに磨きをかけている。