ネット上の育児相談や口コミサイトでは、「泣いても絶対に休ませてはいけない」「一度休ませると癖になって登園拒否になる」といった極端な言説が散見されます。しかし、これらの言説には重大な誤解が含まれています。
第一の誤解は、「泣いて登園を拒むのは親の甘やかしが原因」という言説です。発達心理学の愛着理論において、分離の際に激しく泣くのは「親が自分を守ってくれる存在である」と確信している証拠であり、健全な愛着形成がなされている証と評価されます。むしろ、親と離れる際に一切感情を示さないケースの方が、心理的なアタッチメントの観点から慎重な観察を要する場合があります。
第二の誤解は、「休ませると一生行けなくなる」という恐怖感です。子どもの登園しぶりには波があります。エネルギーが枯渇している時に適切な休息を与えることは、むしろ子どもの自己回復力を高め、長期的な登園意欲を育てる結果につながります。「休む=甘やかし・敗北」と捉える固定観念を手放すことが、親自身の心の余裕を生み出します。