ネット上で「昔の写真がイケメンすぎる」と話題になると、当時単なるビジュアル先行のアイドル歌手だったのではないかという誤解が生じがちです。しかし、事実は全く異なります。
同性愛者であることを公言したことで、当時の芸能界やマスコミからは凄惨なバッシングと差別を受け、一時は仕事が激減してどん底の生活を余儀なくされました。その逆境の中で自ら作詞・作曲を手がけ、日雇い労働者の母親への愛と労働の尊さを泥臭く歌い上げた名曲「ヨイトマケの唄」を誕生させたのです。
美少年としての外見的華やかさに甘んじることなく、人生の底辺の痛みや人間の尊厳を見つめ続けた精神性こそが、美輪明宏の本質です。美貌は単なる天性の贈り物ではなく、自らの知性と過酷な人生経験によって磨き抜かれた「表現の武器」でした。