The Boom『風になりたい』誕生秘話!名曲に宿る祈りと歌詞の真実

The Boom『風になりたい』誕生秘話!名曲に宿る祈りと歌詞の真実

The Boom『風になりたい』誕生秘話!名曲に宿る祈りと歌詞の真実の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

THE BOOMの歩みを振り返る上で、1992年から1993年にかけて巻き起こった代表曲『島唄』のミリオンセラー現象は避けて通れません。沖縄の歴史と魂に寄り添い、全国的な社会現象となった同曲は、バンドに名声をもたらすと同時に、ソングライターである宮沢和史の精神を極限まで追い詰めました。

「他者のルーツである沖縄の音楽を借りてヒットさせてしまったのではないか」という内省的な自問自答と、巨大化したパブリックイメージ。音楽業界関係者の回顧録や当時のインタビュー資料によると、宮沢は激しい消耗感とアイデンティティの揺らぎの中で、次の表現の地平を模索していました。その答えを求めて彼が向かった先が、地球の裏側にある南米ブラジルでした。

リオデジャネイロの熱気、貧民街(ファベーラ)から湧き上がる力強いパーカッションの響き、そして苛烈な現実を背負いながらも笑顔でステップを踏む現地の人々の生命力。宮沢はそこで、単なる観光的なラテン趣味ではなく、民衆の悲哀と狂喜が同居する真のストリート・ミュージックとしてのサンバに心を撃ち抜かれます。「ブラジルの模倣ではなく、日本の言葉と情緒を宿した本物のサンバを作りたい」という強烈な創作意欲が、名曲誕生の導火線となりました。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。