周囲が明らかに嫌がっているにもかかわらず、なぜ特定の人物は好んでひっかけ問題を連発するのでしょうか。ひっかけクイズを出す人の心理を臨床心理学やコミュニケーション理論の枠組みで読み解くと、極めて興味深い内面が見えてきます。
その根底にあるのは、マウンティング心理の真相とも呼ぶべき「安易な優位性の獲得欲求」です。通常の会話で周囲を感心させるには、相応の知識やユーモア、相手への傾聴力が必要です。しかし、ひっかけクイズであれば、「答えを知っている自分=賢い支配者」「引っかかった相手=愚かな敗者」という非対称な力関係を、知識の有無にかかわらず一瞬で捏造できます。
アメリカの精神科医エリック・バーンが提唱した「交流分析」における「心理ゲーム(Game)」の観点から見ても、これは典型的な「愚弄ゲーム(Gotcha Game)」に該当します。表向きは「みんなで楽しもう」という社交的メッセージを装いながら、心理的レベルでは「お前を罠にはめて優越感に浸りたい」という裏の意図が働いているのです。出題者本人は無自覚であるケースも多く、それが周囲のイライラを倍増させる要因となっています。