紙の出版不況が叫ばれて久しいが、現在の出版業界において異彩を放つ成長を続けているのがデジタル写真集のマーケットだ。かつては紙の豪華装丁本が主流だったが、近年はスマホやタブレットで手軽に高精細な画像を楽しめる電子書籍フォーマットが完全に定着した。場所をとらず、いつでもどこでもお気に入りの一枚を眺められる手軽さが、若年層から往年のファンまで幅広く受け入れられている。
この変化は、コンテンツの売り方そのものを根底から覆した。発売日に重版がかかるのを待つことなく、配信開始の瞬間に一瞬で世界中へ届く。また、紙媒体ではページ数の制約でカットせざるを得なかったカットを「拡大版」「完全版」として再構成できる点も大きい。紙とデジタルのハイブリッド戦略こそが、現代のヒットを生み出す絶対的な法則となっている。