大塚範一氏の闘病は2011年11月に始まる。体調不良を訴えて検査を受けた結果、「急性リンパ性白血病」と診断された。この病名が公表されたとき、日本中に衝撃が走った。当時『朝ズバッ!』の司会を務めており、毎朝元気な姿を見せていた矢先の出来事だったからだ。
急性リンパ性白血病は、血液のがんの中でも進行が速いタイプとして知られる。骨髄で異常な白血球が急増し、正常な造血機能を阻害する。治療には強力な抗がん剤治療や造血幹細胞移植が必要になるケースが多く、完治までに年単位の時間を要する。大塚氏も長期入院を余儀なくされ、番組を降板。以来、朝の情報番組の顔としてのキャリアは断たれた形となった。
その後の経過は良好と悪化の波を繰り返したとされる。報道各社の取材データによると、一時は退院して自宅療養に移行した時期もあったが、再発のリスクと闘いながらの日々が続いた。2026年時点で大きく報じられる「復帰」のニュースがないのは、この再発リスクと無関係ではないだろう。
闘病を支えた妻・奈央子氏の存在と家族の献身
大塚氏の闘病を語る上で外せないのが、妻で元フジテレビキャスターの大塚奈央子氏の存在だ。奈央子氏は夫の病気発覚後、自身も仕事を大幅にセーブし、献身的な看護と精神的な支えに徹した。当時の週刊誌やワイドショーでは、その姿を「夫婦愛の極み」と報じた。
後に奈央子氏が明かしたところによると、病名告知の瞬間、大塚氏は「君には苦労をかける」と謝ったという。その言葉に奈央子氏は「一緒に乗り越える」と即答したとされ、このエピソードは多くの視聴者の涙を誘った。実際、急性リンパ性白血病の治療は患者本人だけでなく、家族の生活設計や精神状態を大きく揺さぶる。家庭内に感染者を持ち込まないための衛生管理、食事制限、通院の付き添いなど、家族の負担は計り知れない。
奈央子氏が夫の療養生活を守るために選んだ「メディアへの露出を最小限にする」という姿勢は、結果的に大塚氏のプライバシーを守り、静かな回復環境を整える上で重要な判断だったと評価できる。